実に公園ってのは、
厄介なもんだな。



自分が調子良いときには、
子供のはしゃぐ声や、
鳥の囀ずりなんかも、
音楽か何かを聞いているかのような、
気分にさせてくれるのに。



自分の調子が悪い時は、
何もかもが耳障りで仕方ねぇ。
特に子供の声がキャーキャーと、
うるせぇんだよ。



あ~あ、
やっぱ、俺もう良いわ。



この世から俺一人消えたところで、
一体、何が変わる?



俺が消えたって、
人気アイドルグループの
センターは
嘘の涙一粒溢すわけでもなく、



消費税が下がるわけも、
もちろんーーー



ねえよ。




とっとと、
こんな世の中、
こっちから
おさらばしてやるさ。





俺は、
目の前の青い空にすら
苛立ちを覚え、
視界から外すべく、
体を横向きに変えた。




すると、
目の前に、











ガキがいた。
痩せこけたちっちぇガキが、
俺の目の前にいた。
俺が寝転ぶベンチの脇に
しゃがみ込んで、
俺の顔をまじまじと
見ていた。