「あ、匂いって言えば、今日昼休み家庭科室拝借して、レアチーズケーキ焼いたんだ、差し入れに」



「ま、じ、で!?おい皆!椿姫から、ケーキの差し入れげなよー!!」



へばってた筈の行雲先輩が元気になって叫ぶと、部員達が一斉に群がる。



俺の差し入れスイーツは、もはやバスケ部の恒例になりつつある。



部室から、あらかじめ切ってある焼いたケーキを持ってくると、そこは戦場と化する。



一番デカイのを毎回華麗にかっさらうのは…。



「秀吉キャプテン、お味はいかが?」



「…うむ。小鳥遊、性転換すれば、嫁に貰ってやるぞ」



秀吉キャプテンは顔色ひとつ変えることなく、そんな冗談を毎回抜かすのだ。