ニコニコと笑ったあきちゃんはきゅっと秋を抱き締めます。

顔まで埋めてなんて幸せそうなんでしょう。


「あきちゃんはそういうもの好きですよね」

「ふゆくんだって冬らしいもの大好きじゃない」


全てを白く染める雪。

さびし気な裸の木。

目が覚めるような冷たい空気。

だけど人間さん達も浮き足立つように街がキラキラと輝き始めるところ。

形のない、孤独を感じるようでどこか優しい冬が僕は大好きなのです。


「結局、みんな自分の季節が大好きなんですよね」

「そういうことだね。
季節だけじゃなくて、お花の妖精さんたちも自分達のお花大好きだもん」


うんうん、とふたりで頷き合います。