椛ちゃんと奏太くんの小さな手のひらには乗り切らないほどの秋が集まりました。
ふたりはあちこちを走り回ってもうヘトヘト。
そして、たくさんの秋を見つけたのに、あきちゃんはふたりの元にやって来てくれそうにありません。
「奏太ぁ、あきちゃん来てくれないよぉ」
「う、ん……」
ふたりの頭の中に破れてしまった本のページが浮かびます。
さすがの奏太くんも、もう笑って励ますことができなくなりました。
瞳いっぱいに大粒の涙が浮かんできます。
ポロン
そして、とうとうふたりは大きな大きな声をあげて泣き出してしまいました。
「うわぁあああん」

