「再会なんて、普通突然だろ。
それに、別に初対面なわけじゃないし、何年も俺の事見てきたんだから実紅は俺を信用できるハズだろ。
信用できないような男をずっと追い回してたわけじゃないんだろうし」
「それは……そうだけど」
「実紅は突然だから信じられないんじゃなくて、俺だから信用できないんだろ」
恭ちゃんを見上げたまま、言葉が出なかった。
「俺が昔のままだったらすぐ信じたんだろ?
実紅が好きだった昔の“恭ちゃん”のままだったら」
こういうのを図星っていうのかもしれない。
恭ちゃんの言うとおりだ。
昨日あんな風に今の恭ちゃんがいいなんて言っておきながら、私は……。
六年間見つめ続けてきたのは昔の恭ちゃんなんだから、今の恭ちゃんよりも過去の恭ちゃんを信用しちゃうのは当たり前なのかもしれない。
けど、それが偽物だったって知って、今の恭ちゃんを望んだのは紛れもなく本心なんだから。
今の恭ちゃんを見つめないでどうするんだろう。
昔の恭ちゃんだったら、どんな言葉でも信じられてた。
そんな気持ちを恭ちゃん本人に見透かされて……なにやってるんだろう。



