甘い愛で縛りつけて



自信満々な発言と態度もどうかと思うし、そもそも笠原先生の事は元々恋愛感情として好きだったわけじゃない。
だけどそれを言ってももう堂々巡りな気がして、はぁっとため息にして吐き出した。

それから、隣を歩く恭ちゃんを見上げる。

「なんですぐそういう事言うの?」
「そういう事?」
「なんか……私に気がある、みたいなそういう事」
「実紅だって言っただろ。その気があるような言葉。
今の俺がいいって」

思い出すのは、昨日の保健室での事。
確かにそうは言ったけど、あれはただ嘘の恭ちゃんじゃ嫌だったから言っただけで……。

気があるとかそういうんじゃ……そりゃ、ないとは言い切れないけど、でも……。

「それに、俺が何度も言うのは、何度言っても実紅が俺の事信用しないからだろ」

頭の中で長々と言い訳みたいな言葉を並べていると、そんな事を言われる。