甘い愛で縛りつけて



「恭……っ、やっ、んぅ」

校内でこんな事……信じられない! こないだから普通にキスしてくるけど、どういうつもりなのもう……っ!

ありえない出来事に困惑しながらも、押さえつけられてる手をどうにかして解こうとしたけど。
キスの方に気がとられちゃって思いきり抵抗ができない。

入り込んでくる舌が、一度だけしたキスの記憶を蘇らせて。
このキスを知っている身体が抵抗の邪魔をする。

恭ちゃんのキスを気持ちいいって知ってる身体が、常識だとか理性だとかを打ち消そうとする。

「ふ、ぅ……ん…」

そんな自分が信じられなくて、恭ちゃんがゆっくりと離れた後も、少し呆然としていた。

両手を押さえられてるし体格差もあるから、もともと逃げるなんてできなかったのかもしれない。
でも、本気で抵抗しようとしなかった自分に……恭ちゃんのキスをイヤだと感じなかった自分に。
思い切り戸惑ってしまって。

言葉がでない。

「なに呆けてるんだよ」
「だってっ、恭ちゃんが急にこんな事するから……っ」
「実紅だって、そんな抵抗してなかっただろ」

自分でも後ろめたく感じていたところを指摘されて、思わず黙る。
まさか恭ちゃんにまで気づかれていたなんてって思うと、顔に一気に血が上ったみたいに熱くなった。