甘い愛で縛りつけて



「あー、確かにな。妹っていうよりも、犬とかそんな感じに思ってた」
「……やっぱり犬だったんだ」
「でもそれは、昔の話だろ。今は、ただの男と女だし」
「男と女って……なんか言い方が生々しくてヤダ」
「やらしいから? これからする事の方がよっぽどやらしいだろ。
おまえ、今までどんな恋愛してきたんだよ。おままごとでもして満足してたのか?」

恭ちゃんは、呆れたみたいにため息をつく。
なんだかバカにされた気分になって、「私だってそれなりに恋愛してきたし彼氏だっていたんだから!」って言い返そうとしたのに。

最後まで言い切らないところで、恭ちゃんの手に口を塞がれた。
驚いている私を、眉をひそめた恭ちゃんがじっと見つめる。

不機嫌そうな顔で。

「やっぱり言わないでいい。聞きたくない」

自分から聞いといて、聞きたくないとか、勝手すぎる。
そう抗議してやろうと思うけど、恭ちゃんの手が口を塞いだままだから何も言えなくて。
せめて睨みつけてやろうと思った時。

口を塞いでいた手が離れて……代わりに、恭ちゃんの唇が私を塞いだ。