「関係っていうか、球技大会の時、保健室でキスしてたり会話してたところを見られて……携帯に証拠も残されてた。
校内でそんな事許されないし、本来なら上に報告するべきだけど……私が自分の気持ちを隠して恭ちゃんに応えなければ見逃してくれるって……そう言われた」
恭ちゃんは、開いた膝にそれぞれ肘を乗せて、少し前かがみになりながら私をじっと見つめて話を聞いていた。
恭ちゃんが何を考えているのかが分からなくて怖くて。
膝の上にそれぞれ乗せている両手をぎゅっと握りしめた。
「上に報告されたら、何かしらの処分は下されるし……そんな事になったら学校にも居づらくなる。
恭ちゃんも……私も。だから……」
「ちょっと待て」
中断されて、恐る恐る隣を見ると、真剣な瞳をした恭ちゃんと視線がぶつかる。
何を言われるのか怖くて、ドクドクと動く心臓が次々に緊張を作り出していた。
「おまえ今、自分の気持ちを隠して俺に応えなければって言ったよな?」
「え……?」
それが何?
そんな感じで聞き返す。
今告げた内容の中で大事なのは、バレたって事で、話さないといけないのは、これからどうするかって事だ。
そう思っていたから、特に大事ではないと思っていた部分を持ち出されて顔をしかめた。
思わずじっと見たけれど、恭ちゃんは真剣な瞳で私を見つめていて。
そのままの表情で続ける。



