外見も口調も、多分、性格も。
私の知っている恭ちゃんとは違うけど、でも、確かに恭ちゃんなんだ。

微笑みを見て、そう感じた。
今、目の前にいるのは、私が大好きだった恭ちゃんで間違いない。

今までどこかぼんやりとしていた思いが確信に変わっていく。

そんな事を実感しちゃったら、次々に聞きたい事が浮かんできてしまって。

「ねぇ、恭ちゃ――」

引っ越してからの六年間、どんな生活をしてきたのかとか、なんで保健医になったのかとか。
色々聞こうと、先を歩く恭ちゃんに走り寄った時、目の前の景色がグラって歪んだ。

「実紅?」
「なんか……気持ち悪……」
「あ、おいっ」

許容量を超えたアルコールのせいか、急に走り出したからか。
ふらふらしてグニャグニャして、ふわふわして。

急に襲ってきた気持ち悪さを我慢できずに、しゃがみ込んで……そのまま意識が途切れた。