いつからかは分からないけど私と恭ちゃんの関係を疑っていて、ふたりきりにして決定的な証拠を掴みたかったんだ、きっと。
そこまでして……恭ちゃんを手に入れたいんだ。

ぼんやりとそんな事を考えてからベッドに寝ころんだ。
天井を見上げて、ゆっくりと目を閉じる。

桜田先生の狙いがなんだったにしろ……恭ちゃんだったにしろ、私の対応はあれでよかったハズだ。

『そこまで朝宮先生が心配なら黙っててあげる。ただし、河合さんが朝宮先生の気持ちを受け入れないならね』

浮かんでくる桜田先生の言葉。
ぎゅっと苦しくなる胸が痛い。

だけど、どうしようもなかった。あれ以外、できる事なんかなかった。

もし、拒否すれば、桜田先生は学校側に報告して教育委員会でも問題になる。
そうすれば、私だけじゃなくて恭ちゃんも――。

職場恋愛は禁止されていないけど、職場内に恋愛感情を持ち込んだ時点で私が間違えてた。
桜田先生の言うとおり、私が悪い。

生徒もいる校内であんな事、するべきじゃなかったのに、それを分かってても自分の気持ちを抑える事ができなかった私が全部悪い。

だから……これでよかったんだ。
こうする以外、私にはどうにもできないんだから、せめて恭ちゃんを助ける事ができたならそれでいいじゃない。