「恭……っ、や、待っ……て!」
さすがに抵抗したけど、恭ちゃんはキスからも指先からも逃がしてくれなくて。
片手でがっちり頭を固定されながら、キスされ続ける。
「ふ、んぅ……っ、きょ……っ」
その間も、恭ちゃんの片手が白衣の上から胸を触るから、必死に恭ちゃんの胸を押す。
私が本気だって気づいたからか、恭ちゃんはゆっくりと私から離れて顔をしかめた。
「抵抗すんなよ。寂しくなるだろ」
「寂……? だ、だって!」
恭ちゃんが不貞腐れたみたいな顔して寂しくなるなんて言ったせいで、母性本能がキュンキュンとくすぐられてしまう。
でも今はそれどころじゃないって自分に強く言い聞かせて、恭ちゃんを睨みつけた。
「校内なのにこんな事……! 誰がくるかもしれないのに! もし、誰かに見られたりしたらどうなるかくらい、恭ちゃんだって分かってるでしょ?」
うずく母性本能をなんとか抑えながら訴えたのに。
恭ちゃんは少し眉をしかめた後、呆れたみたいに笑いだす。
「なんで笑うのっ? 私、本気で……」
「おまえ、今抵抗したのってここが学校だから?」
「え、うん……」
当たり前の事なのに、なんで笑われなくちゃならないんだろう。
そんな風に思っていた私に、恭ちゃんは笑みを浮かべながら言う。



