「つ、続けろよじゃなくて……恭ちゃんっ」
絆創膏の上を通過して、そのままゆっくりと上がってくる恭ちゃんの唇。
それと、その唇から覗かせた舌。
右足の太腿辺りを舌で辿りながら、左足には手を這わせる。
ゆっくりとあがってくる左右別々の感触に、腰から覚醒したぞくぞくとした感覚が背中を駆け上がって脳を痺れさせる。
「恭っ…ちゃ……やだっ……」
膝を割ってその間に身体を割り込ませた恭ちゃんが私を見上げる。
そして、太腿に触れた手はそのままに、もう片方の手を私に伸ばした。
「なんか実紅に触るの、久しぶりだよな。二週間ぶりくらいか?」
「……そんなの、知らない」
頬を包むように触れる恭ちゃんの大きな手。
身体を引いて逃げればいいのに……この大きな手に触れられただけで、甘い雰囲気にのまれて逆らえなくなる。
「恭ちゃんは……ズルい」
恭ちゃんの行為を受け入れちゃっている自分を誤魔化すように言うと、恭ちゃんは「なにが?」と微笑みながら言う。
そんな微笑みにさえ跳ねる胸が苦しくて、唇を噛んで目を伏せた。



