半袖のTシャツになってたせいで、直接地面に打ち付けちゃったし。
顔はやっぱり無意識に守るし、膝はジャージ越しだったから、そこまで酷い擦り傷じゃない。
でも、ジャージに滲み出るほど血は出てたけど。
もしも本当に桜田先生がわざとやったんだとしたら、ちょっと問題だと思う。
ゲームに負けそうだからって手を出すなんて、そんな人が教師じゃ絶対にマズい気がするし。
そう考えると、ケガしたのが私でまだよかったのか。
生徒にそんな事して保護者でも出てきちゃったら一大事だし。
……まぁ、一大事になるような事をしたのは事実なんだけど。
「しっかし、両膝絆創膏ってガキみたいだな」
消毒を終えた恭ちゃんが、絆創膏を貼りながら笑う。
……うん。確かにそれは私も思うけど。
「私だって転びたくて転んだんじゃないもん。……ねぇ、恭ちゃん」
「ん?」
「恭ちゃん、桜田先生に……っえ、や、なにっ?」
「ん? 聞いてるから続けろよ」
両膝の治療を終えた恭ちゃんが、絆創膏の上に唇を寄せたりするからびっくりして身体を揺らすと、恭ちゃんの目に捕らえられる。
悪戯に笑みを浮かべた瞳に。



