ボタンの少ない白衣がなるべく開かないように太腿の辺りで握っていると、消毒液と絆創膏を持った恭ちゃんが私のいるベットに近付いてきた。
「ジャージは?」
「ん? 今洗ったとこ。とりあえず血は落ちたから問題ねーだろ。あんま時間経ってもキズによくねーから、ジャージ乾かすより傷消毒するのが先」
「……試合フル出場しちゃったし、もう結構経ってるけどね」
恭ちゃんは少し呆れたようにため息を漏らしてから、私の前にしゃがんだ。
「ほら、肘出せ」
「あ、うん……」
恭ちゃんがしゃがんだから、私よりも恭ちゃんの方が視線が低い位置になって。
見下ろせる恭ちゃんがなんだか新鮮に感じた。
「染みるか?」
私の肘に消毒液を塗りながら聞いてくる恭ちゃん。
レンズ越しに見上げられると、胸がドキンと跳ねる。
まるでひざまずかれているような体勢に恥ずかしくなって、黙ったままふるふると首を振った。
恭ちゃんは肘に絆創膏を貼ってから、視線を膝へと移す。
多分、肘が一番酷かったと思う。



