甘い愛で縛りつけて



「でも、私こんな格好だし、本当に……」
「ジャージ、私予備あるから大丈夫!」

なんだか何を言っても無駄な感じがして、それ以上は何も言わずに「じゃあ借りようかな……」って苦笑いを返すしかなかった。


「河合ちゃん、違和感なさすぎなんだけど」

ジャージに着替えさせられた私を見て、小川さんが笑う。

「違和感ないわけないじゃない……。私、三年も前に卒業してるんだから」
「いやいや、本当に。童顔だし、全然学生で通るよ。今度制服貸すからそれも着てみてよ。
で、先生にバレないか授業出てみて欲しい」
「それ絶対マズイけどその前に他の学校じゃないと顔でバレるし……。
で、本当に出るの? 試合に」

にっこり笑った小川さんに深く頷かれて、ため息をつきながらストレッチを始めた。
運動なんか全然してないし、足でもつったら笑い者だ。

もう学生じゃないのに、学校指定のジャージ着ている時点で笑い者な感じがぷんぷんするけど、もうそこは諦めようと決める。

小川さんが貸してくれたのは、学校指定のTシャツと上下のジャージ。
運動靴は他の子が貸してくれた。