甘い愛で縛りつけて



はぁ……とため息をついて、膝に顎を乗せる。
恭ちゃんと一緒にいればいるほど、自分の気持ちが大きくなって、気持ちが大きくなればなるほど、恭ちゃんの気持ちが分からなくなる。
いくら甘い言葉をもらっても、不安になる。

それは、恭ちゃんを信じる信じないの話ではなく、多分、恋愛感情にはもれなくついてきてしまう負の感情が原因だ。
本当に私の事が好きなのかなだとか、釣り合わないんじゃないのかなだとか、そういう恋愛初期に訪れる負の感情は、例外じゃなく私を襲っていた。

恭ちゃんから確信を持てる言葉をもらっていない分、関係があいまいな分、余計に負の感情が入り込んできて私の気持ちを弄ぶ。

恭ちゃんに十分惑わされてるのに、その上自分の感情にまで気持ちを乱されるなんて堪ったもんじゃない。
しかも、好きって気持ちが大きくなるほど不安も大きくなるからやっかいだ。

まさか、同じ人を二度も好きになるなんて思わなかった。
恭ちゃんがあまりに変わってるから、同じ人って言葉が適切なのかどうかは分からないけれど……確かに恋してる。

昔の恋心の延長線上の想いなんかじゃなく、今の恭ちゃんに。
もう一度恋に堕ちてしまった。

悔しいほど、深くまで。