甘い愛で縛りつけて



「でね? 超頭にきたからつけたのね。教員用駐車場までー。
桜田はどうせ、朝宮の車で送ってかせてモノのしようとしたんだろぉけど、なんか断られたみたいで結局朝宮はひとりで車で出てっちゃってさー。
残された桜田ってばあきらかにムカついた顔してたんだー。超見ものだったしー。ざまぁみろっての」
「……誘いに乗らなかったんだ」
「そー。悔しいけどさぁ、桜田って男から見たらいい女に映ると思うのね? 歳くってるだけあって、男心よく分かってるっていうかぁ。
その桜田の誘い断るのってすごいよねー。また一気に株あがったしー」

語尾を伸ばす話し方とますます茶色に磨きがかかった肌が少し気になるけど。
それ以上に気になるのは、有坂さんの話。

そして、それにホっとしている自分。

恭ちゃんは、悔しいけどカッコいい。
昔の恭ちゃんをカッコいいなんて言っていたのは私くらいかもしれないけど、今の恭ちゃんはきっと誰から見てもカッコいいと思う。
だから、桜田先生が誘ってモノにしたがるのも分かるし、不良パンダギャルの有坂さんでさえ憧れるのも分かる。

分かる、けど。
正直、やっぱりちょっとおもしろくない。