「桜田、男子には人気かもしれないけど、女子にはすっごい嫌われてるでしょ?
でも、それを知ってるくせに全然気にしないところもイヤなんだよね」
「そうなの? っていうか、桜田先生、女子生徒に嫌われてるって知ってるの?」
「知ってるでしょー。だって、睨んでたり悪口言ってたりしても、逆にけなすみたいに笑ってるし。
鼻で笑う感じ? 超やな感じだよ」
「そうなんだ」

まぁ、職員の飲み会でも、桜田先生のそういう節は随所に見られるし、生徒も気付いて当たり前か。

男性教員の前でだけ愛想を振りまいて、私と話す時は面倒くさそうだし、そっけないし。
恭ちゃん関連では睨みつけてまでくるし。

それを生徒の前でまでやっているとは思わないけれど、女子高生なんてもう大人みたいなものだ。
特にその辺の事は鋭そうだし気づくものかもしれない。

マドンナ先生って言うと、生徒みんなに慕われてるイメージだったけど、どうやら桜田先生は違うらしい。

「あー、負けた!」

試合が終わったホイッスルを聞いて、小川さんが隣でうなだれる。
でも、ガッカリしたのは、小川さんだけじゃないらしく。

「マジむかつく。桜田」
「香水つけすぎだし」