甘い愛で縛りつけて



桜田先生と五分五分か、もしくはそれ以上にやりあっているのは、二年生の生徒だ。
有坂さんっていって、見た目がすごくインパクトがあるから、事務の私でさえ知ってる生徒。

もう流行っていないハズのガングロに、アイラインなのかシャドーなのか区別ができないほど太い白いラインを引いていて。
まつ毛は、目を隠すほどのボリューム。

結果的にパンダみたいだから、事務長がいつか「癒されるね」って言ってたけど。
それはさすがに何かの勘違いだと思う。

パンダと一緒にしたら色んなところから文句殺到で電話線がパンクしそうだ。

「とりあえず、ふたりとも出て行ってもらえますか?」

やりあっていたふたりが、恭ちゃんの言葉にピタっと止まる。

「それだけ元気に言い合えるなら、保健室にいる必要もなさそうなので。それに、ベッドで寝ている生徒にも迷惑がかかりますし」
「で、でも……っ」
「申し訳ないですが、お願いします」

恭ちゃんに言われて、ふたりは顔をしかめながらも立ち上がってそれに従う。