「年寄りのお節介で申し訳ないが、彼を手助けしてやってくれないか?
飄々として見えるが、こちらが思うよりも彼は繊細で弱い人間だ。なるべく気にかけてやって欲しい」
私ができる事なんか限られてる。
仕事だって手伝えないし、恭ちゃんが手助けを望んでいるかもよく分からない。
校内であまり一緒にいても、いくら親戚だからって、生徒の目も気になるし。
けど。
恭ちゃんの切ない微笑みが、私も気になるから。
恭ちゃんがたまにもらす言葉の真意を、ちゃんと分かりたいから。
「分かりました。でも……なんで私なんですか?
事務長は最近……その、私と朝宮先生を一緒にいさせようとしている気がするんですが、気のせいでしょうか」
失礼だとは思いながら聞いた私に、事務長が微笑む。
「言っただろう。朝宮くんが河合さんと一緒にいると緊張が解けた顔をするって。
彼はいつも気を張ってるみたいだから、河合さんがいてくれると私も見ていて安心できるんだ」
登校してくる生徒や教師の声で騒がしくなり始めた校舎。
じゃあ頼んだよ、と、事務長が微笑んだ。



