「……へぇ」
案の定、誤解したらしい佐久間は私と武ちゃん先輩を交互に見たあと、けわしい表情のまま足を一歩踏み出した。
かと思ったら。
「……へ?」
「おっ?」
突然、引っぱられた腕。
「え?え?え?」
気づけば私は佐久間の腕の中にいて。
「さ、佐久間?」
そう小さく名前を呼べば、回された左腕の力がギュッと強くなった。
……う、うそうそうそ。
私、今、佐久間に抱きしめられてる!?
今の状況が理解出来ているような出来ていないような。
とりあえず抱きしめられていることだけは分かってるんだけど、それがなぜだか私には分からない。
こ、これどうしたらいいの!?
嬉しいけど困るー!!
そう心の中で叫んだ時だった。
「あーらら。さっくんはなんでそんなに怒ってるのかなぁー?」
「……あ゛?」
微妙な空気を打破したのはななちゃん先輩の楽しげな声。


