例えばここに君がいて


今ここに集まっているのは、俺とサユちゃん、そして和奏先輩と新見の四人。とりあえず図案を決めているところだ。描くのはもちろんサユちゃん。俺達は意見を出すだけ。

他に三年生の先輩が二人ほど看板描きの役についているが、キャラクターを決めたことで満足したのか、他のところに遊びに行ってしまった。


「躍動的な方がいいよね。こう顔をアップにして、牛の体のところに言葉入れてみたらどう?」

「絶対勝つ、とか?」

「四文字熟語とかのほうが格好いいわ。唯我独尊とかどうよ」

「あはは、それって体育祭あんまり関係ないよー。新見さんって面白いね」


サユちゃんは、新見の切っ先鋭そうな言動も怖くはないらしい。俺達の意見を聞いて、サユちゃんはノートにざっと図案を描いた。


「こんな感じどう? 背景にうねりを入れて動きを出すと、牛が前に出て行く感じしない?」

「すげーサユちゃん上手いね」

「唯我独尊はどこに入れますか」

「その言葉はやめようぜー」

「そうよね。喧嘩上等とかの方がいいと思うわ」


大人しそうな顔をして、和奏先輩の言動も時々荒っぽい。最近の女子はこんなのばっかりなのか。