翌日、LHR(ロングホームルーム)で決めるのは、一年間の各種委員だ。

「はい、俺やります。学級委員」

後ろの席の夏目が、迷いもなくそう言う。

やるのか、学級委員。
お前をそんなに奮い立たせるのは愛なのか。

昨日の会話を思い出す。

サユちゃんはどうやら万年学級委員のようだ。
夏目が嬉々としてそんな面倒くさい役職に立候補するのは、内申の為だけじゃなくサユちゃんに近づく為だろう。

こいつのことはいけ好かないけど、好きな女の子のためにそこまで出来るのはすごいと思う。


「もう一人女子は? 立候補はいないか? じゃあ推薦でもいいぞ」


 担任メガネがクラス中を見回すも、一同シーンとしている。そのうちに、窓際の女子二人がコソコソ話しだしたかと思うと、ニヤニヤ笑って手を上げた。


「はい! 新見明菜さんがいいと思います」

「はぁ?」


不満を顕にした声は、隣から上がる。そして後ろからは「ひぃっ」という小さな悲鳴が湧き上がる。
夏目はどうにもこの新見明菜が苦手なんだな?


「イヤよ、私。そうやって人に押し付けるときだけハキハキする人がやればいいんじゃないの」


歯に衣を着せないとはこういう物言いの事を言うのだろう。
新見明菜は、言い出した女子を睨んで「じゃあ私からは中村さんを推薦するわ」とやり返した。
まあでもこの時点で、明らかに新見は周りの評価を攫った。