「……俺、その時は付き合うよ。帰りがどんなに遅くなっても待ってるし、送り迎えもする」
「サトルくん?」
「怪我させておいて、本当はこんなこという資格ないのかも知れないけど。俺はサユちゃんの傍にいて、ずっと応援する。怪我させたことはもう取り戻せないけど、これから出来る限りサポートするから」
だから一緒にいさせて。
顔が熱くなって、最後の一言はサユちゃんの顔を見ては言えなかった。
ただ、彼女の肩をギュッと掴んで主張する。何があっても、離したくないんだって。
やがて、彼女からは震えた声が溢れだした。
「……私、サトルくんに嫌われちゃうのかと思ってた」
「どうして」
「だって怒ってたから。それにこんな怪我までしちゃったら、サトルくん気にして気まずくなっちゃうのかなって。あのね、私、サトルくんを頼りにしてないわけじゃないの。それどころか、ずっと守られてた」
「え?」
「私ね、なんでかいつも壁を作っちゃうの。どんなに仲がいい友だちが出来ても。それは自分でも無意識にやってて、自分ではどうしようもなくて」
和奏先輩も、そんなことを言っていた。親友の彼女がそう思うくらいなんだから、それは筋金入りなんだろう。
「不安になることもあったよ。だけどね、大丈夫って思えたのは、サトルくんがいたから」
「俺?」



