「お前もさ。彼女が木下といちゃつくのが嫌なら、はっきり伝えればいいじゃん。俺以外の男とそんなに仲良くするなーとか」
「いやでも……そういうの気にしてんのって、心が狭いみてーじゃねーか」
「実際狭いんだろ? ほら、アレは許せるのか?」
颯が指さした先には、まだ話し込んでいるサユちゃんと木下。
って、オイ待てよ、なんで彼女の肩を抱く、木下。
こそこそ話とか……止めろって。つか、サユちゃんも喜んでんじゃねーよ!
「な。心狭い。どうせ狭いんだら、思いっきりさらけ出してこい!」
颯に背中を押されて、進みだした一歩が加速する。
近づいていくと、先ずサユちゃんが俺に気づいた。キョトンとした顔で俺に手を振るところを見ると、彼女には悪気はないのだろう。
気付いてくれ、サユちゃん。俺は案外嫉妬深いんだよ。
大体木下も木下だ。そうやって馴れ馴れしい態度を取るから、噂も加速するんだよ、バーカ!
「あはは、……あ? サトル?」
やがて木下が俺に気づき笑顔見せたその瞬間、俺は木下の肩を掴んで、彼女から勢いよく引き離した。
「サトルくん?」
「センセ。俺の彼女に手ぇ出さないでください!」
「こら、人聞き悪いこと言うな」
「だって、肩組むとか触り過ぎ」
いきり立つ俺に、サユちゃんは真っ赤になり、木下はニヤリと笑う。



