畳んだワンピースを持って下へと降りる。

「あ、それ、預かるよ。」

蓮の言葉に甘えて、ワンピースを渡すと

「美華」

不意に颯に名前を呼ばれる。

くるりとそちらを向けば。

「え?わっ!」

不意に何かを投げられた。

とっさにキャッチしたけれど。

「ナイスキャッチ。」

そこで、ふわりと笑ってこちらに向かって歩いてくる。

颯のほんとの笑顔。

二度目だ。

こんなにかっこいいんだから、もっと笑えばいいのに。

「帰るぞ。」

そう言って私の手をとり歩き出す。

そのせいでさっき投げられた‘何か’こと‘ヘルメット’を落としそうになってしまう。