もしかしたら、授業が終わるとすぐに後ろで馬鹿騒ぎし始めた男子かもしれない。


でも、だけど……。

見たことのない程の優しい笑みが、何だか私の胸をギュッと締め付けて、苦しい。



笑ったのは今まで何度も見たことがあるのに、どうしてだろう。

ぎゅっと握った右手が太ももの上で微かに震える。


……何で、こんなに不安な気持ちになるんだろう。



いつもみたいに先生の笑顔見れた、ラッキーって流せないのはどうしてだろう。

あんな風に私にも笑いかけて欲しいなって軽く考えられないのはどうしてだろう。



勝手に色々考えて、不安になって、モヤモヤして。

私はこんなこといつまで続けるんだろう。



……きっと、こんな想いをズルズル引きずって卒業するんだろうな。

何でこんなに意気地なしなのかな。




「……バカみたい」




そっと口にした言葉は騒がしい教室に呑み込まれて、消えた。



結局この日、私の頭からさっきの先生の笑顔が消えることはなかった。