「俺だって、そうだよ……っ」

「……え?」

「俺だって…一目惚れだった。ずっと、好きだったんだよ……」




振り絞るように呟かれた言葉に、胸が締め付けられる。

思わず泣きそうになって、手のひらをつねった。




「だけどさ、縛り付けたって虚しいだけだった……」

「……律」

「なあ、茜?」




ゆっくりと振り返る。

目を真っ赤にした律が、私を真っ直ぐに見つめる。


一歩一歩近付いてきて、私の前で立ち止まる。

まだ沈まない太陽の光が、金色の彼の髪を照らして眩しい。




「……お前は、幸せになれ」




これ以上ないほど悲しい告白をされた気がした。




「り、つ……っ」

「幸せになるんだ茜。……お前は、何も悪くなかったんだ、自分を責めるな」




そんなわけない。

私が何も悪くないなんて、そんなことあり得るわけがない。


こんな時まで、優しくしないでよ。