生徒が普段はあまり使わない階段まで来ると先生は私をようやく解放した。




「……どういうつもりだ?」





聞いたことのない、少しだけ余裕のない声。

あぁ、困らせてるんだななんてどこか他人事のように思う。



……どういうつもり、か。

ほんと、どういうつもりなんだろうね私は。

そして、どうするつもりなんだろうね。




ただね、先生。

もう先生に秘密を知ったことを打ち明けてしまったからには引き返せないんです。



とことん、先生を傷つけて最も最悪な形で先生の記憶に焼き付くしかないんです。


とんだバカですよね私って。


でもね、私が特別になるには、もう、きっとこの方法しか無いんですよ。



だから先生、嫌って?

私のことを好きになってはくれないなら……嫌って嫌って、そして私を忘れないで。





「学校中にバラすのか心配なんですか?まぁバレたら間違いなくこの高校にいられなくなりますもんね」