まるで別世界にいるような、人とは違うオーラが立ち込める一匹狼くん。


クラスで友達と話すのを見たことがなければ、笑った顔なんて見たことない。



第一、同じ委員だから私とは少し喋るけど他の人と彼は話したことがあるのかな?


放つその圧倒的なオーラで、どんな人混みも彼が歩けば道が出来ると思うなんて本気で思ってる。




「ねえ、千堂くん」

「あ?」





挙げ句の果てに口が悪い。

私じゃなかったらビビって、もう二度と話しかけないと思うんだよな。




「何で図書委員になったの?」

「は?」





眉間に皺を寄せ怪訝そうな表情を浮かべる千堂くん。

何で質問しただけなのに、そんな怖い顔されなきゃなんないんだろう。


せっかくの美形が台無しだよ、なんて思うけどニコニコしてヘラヘラしてる千堂くんなんて何か気持ち悪い。


だったら、私がこの威嚇に耐えるしかない。