12 love storys

私は声を掛けるのを躊躇った。


本当はこの辺りでは有名な


ブナ林の近くにある


カフェを探していて。


夏に一度


来たことがあるんだけど


今は冬。


真冬。


これほどまでに景色は


変わってしまうのかと


要は道に迷っていた。


そんな中


人がいたのだ。


直ぐにでも声を掛け


カフェの場所を確認し


温かいミルクティを


飲みたいのだ。


けれど


聞ける雰囲気じゃなかった。


何故なら


その人は


泣いているように見えたから。