『今、側にはいないけど、みなみと同じものを見たかったんだ』


落ちこむ私に気づくことなく、落とされた言葉は甘く優しい。


「ば、ばっかじゃない⁈
そんなこと考えるなんて、女子みたいっ」


気恥ずかしさで、月を視界から外す。


耳元で響くソラの笑い声。


ねぇ、今はどんな表情をしてるの?


見えないことが、もどかしくて。

だけど、ひどく愛しい。


「まぁ、でも確かに。
月、綺麗ね………………」


来年も、再来年も、これからもずっと。

あなたと見たい。


どこにいても繋がるこの空に浮かぶ光を。