「陽毬!!起きなさい、朝よ!!」 母親の怒鳴り声で、ふくらんだベッドがモゾモゾ動き出す。 『ん゛--』 うなり声を上げる少女はベッドから起き上がると、カーテンから差し込む光に眉をひそめた。 肩まで伸びたマロン色の髪をゆらゆらと揺らしながらベッドから這い出る、彼女の名前は阿達 陽毬【アダチ ヒマリ】。 今年で高校三年生になったいたって普通の女子高生。