リビングを出て、玄関へ向かう。 「――を、たす……」 ローファーを片足はいたとき、何処からともなく男の人の声が聞えた。 ビクッと肩を震わせた陽毬は、後ろを振りかえった。ゾクリッと寒気を感じる。 我が家で唯一男である父親は、単身赴任中で居ない。 したがって、男の人の声が聞えるはずがないのだ。 それに、お父さんの声にしては若々しい声だった……。 考えれば考えるほど、体が寒く感じる。