大きなビルが立ち並ぶ光景が… まだ、目に焼き付いていた。 新幹線に揺られ、 真っ白になった山並みを見つめながら…ホッと胸を…撫で下ろす。 長年住んだはずの、東京の冬は… 同じように寒いのに、何かが…違っていた。 乾いた風に…流されるように。 忙しく歩く人並みに揉まれながらも、 なんとか…自分のペースで歩いた。 地に足を付けて、 透の想いを…噛み締めるようにして。