あの人の声を聞いたら、どうなるのだろうと… 思っていた。 鳴らない携帯画面を、何度も見る日も…あった。 全ての感情を、 あの日、置いてきたかのように…。 いつしかそれすらも忘れて、 どこかで… 時間が解決するのではないかと…高を括って。 『紗羽…?』 耳に届いた声は……。 あの時と、変わらない…穏やかな声。 だけど、心を揺さぶられるほどの懐かしさは… そこには、なかった。