*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

宴の松原を抜けて大内裏の外に出た四人が、あらかじめ示し合わせてあった場所で息を潜めて待っていると。






「…………どうやら終わったらしい」






騒ぎの物音が静まってきているのを聞いた灯が、独りごとのように呟いた。





その言葉どおり、しばらくすると群雲たちがこちらへ走ってくるのが見えた。







「灯! 糸萩! 無事だったか」




「あぁ、群雲。そっちはみんな無事か」




「問題ない」






二人が話しているところへ藤波が寄って来て、皮肉っぽく笑った。






「内裏の警備兵なんて、意外とちょろいもんだったね」





それを聞いた青竹が藤波の頭を小突く。





「こら、藤波。調子に乗るなよ。


あのとき俺が矢を射て助けなかったら、今頃お前の腕はくっついていなかったぞ」




「ちぇっ、なんだよ、恩着せがましいなぁ………」