「そうなんだ......、暁明きてくれたんだ」


「きてくれたんだ、じゃないだろ。
あいつとどんな関係なんだよ。
まさか付き合ってるわけじゃないよな?」



ケンちゃんが起き上がり少し強い口調になったのを感じて、私も体を起こす。



「付き合ってはないよ。
彼とは仲の良い友達」


「それならいいけど、絶対に付き合うなよ?
あいつじゃなくたって、他に男はたくさんいるだろ」


「付き合うとか考えてないけど、私の友達だよ。
何も知らないケンちゃんにそんな風に言われたくない」



暁明のことを知られたら、こうなるって分かってた。

特にケンちゃんは友達を大切にする性格だから。

でも、それでも彼を悪く言われるのはやっぱり嫌。



「じゃあ美月は何を知ってるんだよ?

なあ、去年のこと忘れたわけじゃないよな。
あんなに明るくて優しい人だったのに、ほとんど学校もこれなくなった先輩のこと」


「もちろん忘れてない。
私も先輩を騙した中国人は許せないよ。

でも、その人は悪い人だったけど、暁明は......違うもん......」