「そうなんだ。どうやって説得したの?」



お姉ちゃんの彼は本を読んでくつろいでるみたいだから、彼をおいてけぼりで、どんどん日本語で話を進める。



「お母さんが味方になって、一緒にお父さんを説得してくれたのも大きかったし、それとね。

カレが、私をどれだけ愛してるか、これからの生活の意気込みを、お父さんに日本語で言ってくれたの。

丸暗記だったし、発音も下手だったけどね」


「へぇー......」



結局日本語もまるで話せるようにはなってはいないという彼。

けれど話せないなりに、日本語で、その、お姉ちゃんへの愛を誓ってくれて、誠意を見せてくれたってお父さんも思ったのかな?


感心していたら、愛しそうにカレを見ていたお姉ちゃんに、カレが近づいて、チュッとキスしてた。

あの、私いるんですけど......。
付き合いが長いのに、大したアツアツっぷりで。

なんかもう、目が合えばキスしてそうな感じだよね、この人たち。