お姉ちゃんが結婚かぁ......。
私もいつかは結婚とかするのかな。
できるのかな、彼以外の人と。


気分が重いまま、すぐにお風呂に入る気にもなれず、ベッドに腰かける。



「加藤さんと結婚したら幸せになれるかな?」



ベッドサイドに置いてあった、大学生の時から大切にしている、ぶさいくなぱんだに話しかける。


私が一足先に社会人になって、暁明も日本で就職が決まって社会人になってからも、変わらず会っているけれど、確実に頻度は少なくなった。

会いたい時にすぐに会えなくなってからは、寂しい時はいつもこのぱんだを抱きしめる。


ばかだな、私......。
加藤さんと結婚して幸せになれるとしても、結婚する気なんてないのに。


大人になっても年を重ねただけで、紺本的なところは何も変わってない。

今も昔も、私はずっと暁明が好き。
暁明だけが、好き。

いまだに暁明からもらったぱんだを大切にしてるし。

こんなぶさいくでぐちゃぐちゃなぱんだを大切にしてるの、私くらいだよね......。