私の彼氏は中国人留学生

外は真っ暗で、歩行者がいないどころか、車もほとんどいない。

大通りを過ぎて、坂道に入って、何を思ったのか突然坂道ダッシュを始める私の足。

坂道を越えれば、前バイトしていたスーパーがあって、さらに行くと家がある。


なぜかこの坂道を上れば、暁明に会えるような気がしたんだ。


会いたい......。
やっぱり私、暁明じゃないとダメなんだよ。

他の人とキスしたって、何も嬉しくなかった。

ただ触れるだけで、それだけで幸せになれるのは暁明しかいないの。


酔うと本音が出るというけれど、今の私はまさにその通りで。

物事の整合性とか、先のことを考えて行動するとかは、今はもう考えられなかった。

普段は色々なことを抑圧して生きているけれど、今だけはただ本能に突き動かされて。

会いたい、の気持ちだけで、ふらふらする体ともつれる足を必死に動かしていた。