「暁明......」



何か言おうとして、何を言ったらいいのか分からなくて。
ぺたっとくっつくと、ぎゅっと抱きしめてくれる。

ずっとくっついていたいくらいに、こうされるのが好き。


他のどんなお金持ちのイケメンも、誠実な人も、これだけの幸せを与えてくれる人は彼以外はきっといない。


外に出れば、友達や大学、バイトや趣味。
暁明以外にも大切なことはたくさんある。


けれど、この部屋にいるときは暁明が私の全て。

二人でいられるこの部屋が、この部屋だけが......。

私の部屋でだけは、誰にも邪魔されることもなく、先のことを考える必要もなく。


暁明がずっとこの部屋から大学やバイトにいってくれたらいいのに......。


そのうち彼をここから出したくなくなりそうで、自分が怖い。

暁明の将来の可能性も全て台無しにしてしまいそうで、怖い。


自分が自分じゃなくなるくらいに、私は確実に暁明に依存してる。

もうこれ以上好きになると、別れた時に立ち直れなくなるから、ほどほどにしておいた方がいいとは分かっているのに。


それでも、私の心は、体は、こんなにも彼を求めている。
離れたくない、と全身が叫んでいる。