「バイト代も入ったし、美月にプレゼントを買ってアゲタカッタンダ」



私の目を見て、ニコニコと笑う暁明。


言えない......、純粋に私のためにプレゼントを用意してくれた彼に、自分の生活もあるのにわざわざプレゼントを買ってくれた彼に。

こんなのいらない、なんて言えるわけがない。


気持ちはすごく嬉しい、嬉しいけど......、いらないものはいらない、なんて非情なことは言えない!



「あ、ありがとう......。
その、すごく嬉しい。大切にするね。

暁明は誕生日いつ?」


「二月」


「そうなんだ、私も誕生日お祝いするね」



優しくて、話しやすくて、だけど嘘つきでセンスが悪い暁明。


困ったところもあるけど、私はそんな彼と一緒にいるのが楽しかった。


暁明と少しの時間でも会えると思うとバイトも勉強もがんばれたし、会えない日はなんだか残念な気持ちになる。


まだそれが彼を好きだから、だとは思っていなかったけれど。

いつのまにか、確実に、彼は私の中で特別な存在になっていた。