「別に……。」 星野くんはそうやって言って目を逸らす。 文句を言わないでいてくれる。 ああ、優しいなって思っていたら彼は小さくつぶやいた。 「そういう迷惑のかけられ方は嫌いじゃない」 ……星野くん。 心がポカポカと暖かくなる。 「あり、がと」 少し恥ずかしくなって目を逸らしながら言うと私達はその後無言でクレープを食べた。 その沈黙さえも居心地がいい もっとこの時間が続けばいいのに そんな事を思っている時、 ピりりりりー 星野くんの携帯が鳴った。 「ごめん、出る」