今年もまた、去年と同じ。



席の真ん前に掛けてある時計を見る。

5、4、3、2、1…


「…ハッピーバースデー、あたし。」


そんな呟きは特に響くことなく、薄暗い執務室内に消えていった。



この寂しい環境の中の誕生日も、ついに5回目を迎えてしまった。

はあ、あたしは25歳の誕生日になぜ。


「残業なんだ、コンチクショー。」