「ひまりのココア、ちょうだい?」
「え?すっごい甘いよ?」
「…いいよ、別に」
「秦みたいな甘党じゃないと…」
「秦となにしてたの?」
「え…?」
「家に2人で居たんだろ?」
「居た…けど…」
「キスでもした?それともsex?」
「なっ…//!」
「抱き締められた?いつもみたいに?」
皐が皐じゃないみたいで。
…抱き締められた、よ。
でもいつもとは違うよ。
あたしから抱き締めたの。
秦を“男の人”として意識させられたの。
ねぇ…さっきから心も頭も混乱してるの。
助けてよ、皐。
皐のように、秦も意識してしまうよ。
「……ひまり?」
「あっ、ココア…」
「……待てよ」
立ち上がろうとしたあたしの手首をグッと掴む。
まるで離さないと言ってるかのように力が入っている。
「皐…?」
ドキドキと高鳴る胸。
――皐はすごいなぁ。
仕草や言動だけであたしをドキドキさせる。
好きな人だから?
それとも、“男の人”だから?
意識してしまってるから?
「…なにがあったんだ」
「なにが?」
「秦と」
「なっ…何もないよ」
その真っ直ぐ見る瞳が苦手だ。
その綺麗な瞳に見つめられると逸らせなくなる。
全て見透かされそうで、怖いんだ。
皐にはバレてほしくない事だから。
「ひまり」
「いつもと変わらないよ」
「……嘘だな」
「え?」
「ひまりが噛むときは嘘ついてるか、緊張してるか」
「………」
なんでそんなの知ってるの?
――見ないでよ。
そんなの見つけないでよ。
自惚れて苦しくなるのに。
ねぇ気付いてよ。
心の奥底ではいつも皐と叫んでる事に。
皐を1人じめしたくて仕方ない事に。

