――ピンポーン…
えっ!?
さっき秦帰ったばっかりでまたお客さん?
どうしよう…セールスとか断れないし…。
「……り!」
「……?」
「ひまりっ!」
確かに聞こえた、皐の声。
愛しくてたまらない、声が聞こえた。
……なんで?
ねぇなんで来ちゃうの?
さっき泣いたばかりなのにまた泣きそう。
――ガ…チャン…
「…ひまり…」
「皐…っ…」
思わず抱きついてしまった。
――でも違ったの。
秦よりも安心できて、
秦より冷たい、腕の中だった。
「…なんで…」
「…1人だって秦に聞いたから」
「…そっかぁ…」
なんで今回は来るの?
前は来なかったくせに。
……子供っぽいよね。
こんなんだから皐は浮気するのかな?
無理ないよね…あたしが彼女じゃ。
「あがる?」
「…あ、あぁ」
「それともこれからよ…」
「用事ならない」
「…そう。じゃあ皐はブラックコーヒー?」
「あぁ。…ひまりは?」
「あたしはココアだよ」
あたしは皐の好きなものをだいたい知っていても、
皐はあたしの好きなものを知らない。
興味がないからでしょう?
知りたいとも思わないからでしょう?
――また、見つけちゃうな。
皐があたしを好きじゃない、証拠を。

