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「おはよう、皐くん!」
「はよ、ひまり」
俺らがよく話すようになったのは隣の席になってから。
俺は話す前から好きになってた。
まぁ出会いは中学。
俺が好きになったのも中学。
俺とひまりが同じクラスになれたのは1回だけだけど。
「ひまりぃー!」
「宇美っ、おはよう!」
「あんた昨日の告白もフッたらしいわね!」
「…だって…恋とかわかんないんだもん…」
「何歳でそんなこと言ってるの!」
毎朝同じような事を聞いていた。
中学卒業の頃は、
俺と秦と翠以外の奴らは全員ひまりにコクったらしい。
そのどれもが玉砕。
決まり文句は、
“ごめんなさい!恋ってまだわからないんです”
って。
時々“試してみよう?”とか甘い誘いはあったらしい。
「ひまりさぁー、いい加減恋ぐらいしろよ。」
「秦っ!…何よぉ!好きな人がいるからって!」
「叶うことはないけどな」
「秦…?」
中学からきっと秦の好きな人はひまりだったはずだ。
時々ひまりを見ながら切なく微笑んで居たから。
翠も好きだった。
俺らは互いにそれを知っていた。
「ひまりちゃーん♪」
「みっ…翠くんっ!」
「翠!ひまりに抱きつかないで!」
「…いいじゃんねー?ひまりちゃん?」
「…し、心臓が持たないよ…//翠くん//」
「……っ///反則」
いっつもひまりのウルウル上目遣いに悶えてた翠。
……あれは周りのやつも一瞬にして赤くなった。
鼻血が出るやつも居た。
まぁひまりの可愛さは破壊級だった。
「ひまり、教科書忘れたから見せて?」
「今日も?…皐くんは社会の教科書よく忘れるね」
「社会って存在感なくてさ、俺ん中で」
「えー存在感ありありだよ」
「そうかー?」
俺は社会の教科書は毎日忘れた。
わざと。
ひまりとくっつけるし、ひまりの寝顔が見れるから。
ズルい下心バリバリの理由。

