「…ただいま」
「おー」
「皐、まだ居たのか」
「…まぁな」
皐の瞳が鋭く俺を捉える。
……妬くくらいなら大切にしろよ。
なんて言ってはやらない。
アドバイスなんか何回もしてやんねーよ。
少しでも、俺にチャンスが来てほしい。
「あ、本棚の後ろにあるエロ本全部燃やした」
「はぁっ!?」
「だって全部見たし」
「おまっ…!」
「いーじゃん?」
おいおい…妬いたからってなに燃やしてんだ!
ヤキモチ妬きすぎだろ!
マジでか…。
どんな思いで…。
「エロ本じゃねーんだな」
「……見たのか」
「あぁ。…ひまりとの写真とかプリクラ」
「……」
「…それは燃やしてねぇから」
「え?」
「…んなの燃やせるわけねぇじゃん」
皐……。
なんだかんだで優しい皐。
だからひまりも嫌いになれない。
ズルいよなー、皐は。
「皐ー、ひまりん家行けば?」
「……は?」
「ひまり、おばさんたち今日遅くて1人だろうから」
「……そうか」
「じゃあ俺、寝るわ」
「変な時間に寝ると…」
皐を嫌いになれない。
なれたらひまりを平気で奪うのに。
お前だから、教えてやるよ。
「ひまりはな、1人が怖いんだ」
「……さんきゅ!」

